コリマの朝市にて
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テアカパン村のテコロテ(フクロウ、物知りの人をこう呼びます)、バルドさんの新居完成です。 じゃじゃ~ん。
椰子の葉造りの小屋です。 2,5mX3.5mぐらい。
壁は、椰子の葉っぱの葉柄、屋根は扇葉椰子の葉っぱ、柱や骨組みは丸木で出来ています。
毎朝、村の周りの椰子の畑から落葉を集め、原野に生えてる扇葉椰子の葉を切り落とし、手ごろな木の幹を山刀で切り、ご自分ですべての材料を集め、3週間ばかりかかって完成です。 買ったのは、釘と紐だけだそうです。
入り口は、こんなです。 軒もあります。 ハンモックを吊るせば、最高でしょうね。
床は、海の砂を敷きつめています。 窓がないんで中は薄暗いですが、椰子の葉の香りが漂い、ひんやりと涼しい。 安らぎの空間です。 バルドさん、中にもハンモックを吊るして、寝泊りするんだ、とご機嫌です。 うらやまし~。
いかにも楽園のお家、僕もほしいとは思うんですが、問題がひとつ。 虫が素通りなんですよね。 テアカパンは湿地の村、蚊が多い。 それから、ヌカカという目に見えないぐらいの奴もいて、こいつは空飛ぶナンキンムシと言われるぐらい、痒いんです。 バルドさんなんかは、赤ん坊の頃から刺されまくって免疫が出来てて、刺されてもちっとも腫れないし、不思議なことに虫があんまり寄り付かないんです。 僕は、歩く集合フェロモン、虫に好かれるほうで、かなり免疫は出来たけど、刺されるとやっぱり痒い。 南国のロマンも、厳しい修行の賜物ということですな。
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今の時期、日没は8時前。 店を閉めてから、散歩に出るのが恒例になってます。 風が止んで、一番暑い時間帯なんだけど。
今日の散歩で見かけた、キツツキです。
大きな奴です。 小鳩ぐらいあります。 たぶん、Lineated Woodpecker、 Dryocopus lineatus。
時々見かける鳥です。 だけど、カメラを構えると、ちゃんと見てるんですよね、幹の向こう側に回ってしまうんです。 これは、キツツキ類に共通する性質のようです。
今日は、根気良く待って、ちょこっと姿を現したところをパチリ。
次、行きます。 これは、地味なキツツキ。
Gila Woodpecker、 Melanerpes uropygialis かな? 違うかもしれません。
やや小型、ムクドリぐらいです。 椰子の幹を突付いてました。 幹に穴が開いてますが、横の椰子の木から来て、ちょっとコンコン突付いたら、すぐに飛んで行っちゃいましたから、この鳥の巣穴かどうかは不明です。
このキツツキは、どこにでもいる普通種です。 だけど、ちょこまか動いて、なかなかいい写真が取れません。 良いカメラが欲しいです。
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久しぶりに童話、行きます。
フベという少年の話
フベは、11歳だった。
学校が引けると、フベはいつも、粗末な釣り竿を持って、一人で浜に行った。 そして、父母や弟妹たちが夕飯に食べる魚を釣った。
フベたちは、青い入り江の入り口の小さな村に住んでいたのだが、父母は農園で働いていて、漁師の親戚や知り合いもいなかったから、フベたち家族が魚を食べるには、自分で釣らなければならなかった。
優しいフベは、小魚や美味しくない魚が掛かると、丁寧に針を外して、海に返してやった。 針を飲み込んで助からないのがいれば、捨てずに持って帰る。 その日に食べる分が釣れれば、それ以上は釣らない。 お父さんに、そうするように言われていたからだ。
そしてお母さんは、どんなに小さな魚でも、お腹を割き、ウロコを取って、料理してくれる。 みんなで残さずに骨までしゃぶって食べ、ハラワタや骨は庭に埋める。 それで、フベの庭のマンゴーやオレンジの樹には、毎年甘い実が枝が折れるほど成った。
ある日、いつものようにフベが釣りをしていると、町の中学生たちがやってきた。 岩の上に陣取ると、賑やかに釣りを始めた。 立派な竿にリールで、フベの竿では届かない深みに餌を投げる。 立て続けに、大きな魚が釣れた。 5匹、6匹、7匹...。 中学生たちは、魚を岩に叩きつけたり、投げたりして遊んでいたが、最後には魚をみんな海に投げ捨てて帰ってしまった。
フベは、おかずを釣り終えて、帰り支度をしていたところだった。 波間に白い腹を見せて浮かぶ魚、横になって苦しげにエラを動かす魚。 潮流に乗って、遠ざかっていく。
フベは網袋を掴むと、砂を蹴って海に飛び込んだ。 抜き手を切って、まっしぐらに沖へと泳ぎ、魚を集める。 最後の魚を袋に納めると、浜を目指した。 だけども、その日は大潮だった。 潮流は逆巻いて沖へ流れていた。 フベは魚が詰まった袋を引いて、ばちゃばちゃしぶきを立てていたが、やがて波間に消えてしまった。
誰もいない入り江を、大きな夕日が真っ赤に染めていた。
翌日、フベの家族や村人たちは浜を探し、漁師たちは網を引いたりしたが、フベの体は見つからなかった。
それから4日後の夜だった。 浜に涼みに来た人が、海の中に、光る大きなものを見た。 次の日の夜、その話を聞いた村人たちが、浜に集まった。 確かに波の向こうで、まるで夜光虫のような黄緑色の、大きな光の塊が、エイが泳ぐように揺らぎながら、ゆっくりと動いてた。
そしてその翌朝、村の桟橋の先に、フベの死体が浮いているのが見つかった。 あの光るものは、フベだったのだと、村人たちは思った。
知らせを聞いた父母や弟妹たちが駆けつけ、漁師たちと小船に乗って、死体を引き上げに漕ぎ出した。 そしてそこで皆は、無残に水脹れしたフベの体を、今までだれも見たことがない、虹のように七色に輝く、大きなエビがびっしりと覆って、長い髭をゆらしているのを見た。 それから、今までだれも見たことのない、透き通るような緑色の大きな魚が、フベの周りにも下にも、絨毯のようにひしめいているのを見た。
フベの体は、家族たちが村の後ろの岩山の頂に葬った。 海から吹き上げる風がいつも吹いていて、棘のある潅木しか生えない寂しい処だったが、その年から毎年、季節の草花がたくさん咲くようになり、大きな虹が度々かかったということだ。
...おしまい...
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メキシコでは、乾季の終わりの今頃が一番暑いんです。 ただし、空気が乾燥していますから、木陰に入ると汗が乾きます。 だから今の暑さは、心地良い暑さ、僕は嫌いではないです。
ちなみに、テアカパンは北緯22度にありまして、北回帰線の内側です。 夏至には、わずかですが太陽が北から照ります。 今はもう、概算で太陽高度は85度です。 お昼ごろには、街路から日陰が消えてしまう。 電柱の陰も、街路樹の陰も、真下に小さく小さくなっている。 人っ子一人いない町に、目も眩むような日差しがあふれ、陽炎がゆれる。
...メキシコの真夏日...
不思議な静寂の世界。 僕の大好きな景色です。
さて、涼しげな木陰を見つけたんで飛び込みました。 濃い木下闇に目が慣れてくると、ヤギの群れがいます。 ひんやりした土に腹をつけて寝そべって、気持ちよさそうです。 番犬もいますね。
ヤギを見るの、僕好きです。 子ヤギはたまらなく可愛い。 あごひげと角が立派な大人のヤギも素敵。 僕も群れの横に座る。 メエ~とのどかな鳴き声を聞きながらまどろんでると、アルムの山に来た気分ね。 ほら、ハイジがさ、雌ヤギの下に寝転がって乳をじゃ~っと搾って直接口で受けて飲む、いつの日にか、あれやってみたいですな。
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もう先月になりますが、愛ロバ、ハナが死んだ。 3月頃から弱り気味で、遠くから刈ってきた草もあまり食べなくなっていた。 鼻面を撫でてやっても喜ばなくなり、どっちかと言うとあまりかまってほしくないようだった。 そしてある朝、マンゴーの樹の下で死んでいた。
痩せてはいたが、200kg以上ある体。 村で大きな家畜が死ぬと、縄で首を縛ってトラクターで郊外のゴミ捨て場まで引いていって、コンドルやコヨーテに食わせて処理するのだけれど、そんな気になれなかったので、上の息子と家内と僕とで、車が一台入るほどの大穴を掘って埋葬した。 ハナの背中ぎりぎりに穴を掘り、足を持ち上げて穴に落とした。 十分に深く掘ったつもりだったが、足がはみだした。 折り曲げても、ばねのように戻る。 木の枝で無理やりに押さえて土をかけた。 悪いことをしたと思った。 もっと深く穴を掘ればよかったと後悔した。
ハナは、推定年齢30~35歳。 大往生だったのだろうか。
かなり迷ったのだけど、知り合いの警察官のおじさんに引き取ってもらった。 この人は、エスクィナパ郊外に20hrほどのランチョを持っていて、ロバも6頭いる。 うちにいるより幸せだと思う。 どうか、元気でいてくれ。
お別れの抱擁を受けたナビは、おとなしく手綱を引かれてトラックに乗った。 もう僕たちを、振り向きもしなかった。
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