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2015年7月 5日 (日)

南半球の空

Img_9575_convert_20150704092307パタゴニアパンパの夜明け。 プエルト・マドリン(PUERTO MADRYN)からトレレウ(TRELEW)に向かうバスの車窓より。

南米の旅も後半に入り、僕はアルゼンチンの南のほう、パタゴニアの入り口あたりになる、プエルト・マドリンという港町にいた。 チリもアルゼンチンも、夜明けが遅く、午後が長いように時刻が設定されている。 僕がいたのは6月半ば過ぎで、最も日が短い時期だった。 南緯43度の町では、朝は8時を過ぎてやっと地平が青くなり始め、9時ごろやっと日が地平から顔を出す。 日暮は6時前。 自然と住民の朝の始動は遅くなる。 夜はすっかり日が暮れきった8時ごろから町は賑わうが、10時前にはひっそりしてしまう。 遮るもののないパタゴニアパンパの大平原の港町、風が強い。 初冬の今は、夜はどんなに着込んでも凍えてしまうから。

さて、プエルト・マドリンに着いた日、不思議なものを見た。 お昼過ぎの北東の海の上に、太い三日月が浮かんでいる。 ところがね、この月、立ってるのね。 やや傾いてるけど、右側が欠けた、右弦の月。 こんな三日月、生まれて初めて見た。 この月が、お日様を追って北の空を巡るのか...、ん? 左向きに...???

そういえば、お日様もってことだな??? う~んと、ほんとだ、左に動いてるぞ、今まで気が付かなかった、ぎゃははは...。 少しの間僕は方向感覚を失って、脳の中の世界地図の上をうろうろしていた。 宇宙空間に地球を置いてみると容易に理解できる。 北の空の北斗七星は、左に動くよね、同じことだ、あはは。 とは言え、なんとなく居心地が悪い妙な気分ね。

そうそう、夜空も見とかなきゃな。 その夜、僕はダルマのように着ぶくれて、ホテルを抜け出し、浜に出てみた。 西空低く、金星と木星。 ケンタウルスの2つの明星と南十字星が、天頂近くに煌めいているの。 他にも星はたくさん出ているが、それ以外の星座は皆目わからない。 見慣れた星座が一つも見当たらないのよね、う~、なさけない~。 はて、南の地平近くに、大きな青白い星が2つあるぞ。 何だろう?

南の夜空には、北極星に該当する星が無い。 僕は見えない南の極を頭に描きながら、かなりの時間を苦悩した。 やがて青星たちが、カノープスとアケルナル、日本では見えない南の果ての星なのに思い当たった。 メキシコでは12月から2月に見ている星たちだが、ここ南半球では、僕らの北斗七星のように、年中沈むことのない周極星なのだ。

カノープスとアケルナルのおかげで、一瞬にして星めぐりの地図を夜空に描くことができた。 ああ、あの銀河のはずれの光の雲はマジェラン星雲だ、あんなに大きいのか。 天頂にさそり座が、尻尾を斜め上にして向こうを向いているぞ、真っ逆さまだ。 北を向けば、おとめ座の白星は高く、牛飼の赤星は北西に遠く低くまたたいている。 これも、逆さまだ。 

初めて見た、全てが真っ逆さまの、南半球の星空。 あまりの寒さに15分ほどで切り上げました。 暖かい季節にまた来て、一晩中星めぐりが出来たらいいなと思います。

アケルナルと南十字は、以前に記事にしていますので、ご覧下さい。 http://teacapan.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-182e.html http://teacapan.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-da07.html 

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コメント

南アフリカのケープタウンでの出来事。太陽が右から登り、左に沈んでいました。その奇妙さに中々慣れませんでした。北半球に住んでいると、太陽は左から登り右に沈むと、身体に浸み込んでしまうようです。

投稿: ドミ共から | 2015年7月 6日 (月) 18時54分

>ドミ共からさん
僕も方向を思う時に毎回うぬぬと苦悩しました。 お日様に向かって立って、目を瞑って頭の中で北半球にいるように太陽を背にしてると想定し、そのまま仰向けに倒れるとお日様が顔に刺す、今度は空ごといっしょに立ち上がる、これで方向感覚がとれるんですが、毎回立ち止まって瞑想してられないし。 星空は、日本では見えない南の果ての星が年中見える、もっと難しかったです。 

投稿: OTTO | 2015年7月 7日 (火) 00時08分

OTTOさんに星や空の話をさせたら一級だなと思いながら、テアカパンとかアケルナルという言葉を思い出していました。
明日、国会めぐりと毎日展などというケチなことを考えなければならないので、ここに浸っていられなくて残念ですが、・・・なんですかブエノスアイレスっていいところなんですね。珍しいお話を聞きました。また来ます。

投稿: 花てぼ | 2015年7月 7日 (火) 21時44分

>花てぼさん
アルゼンチンもチリも、良かったですよ。 聞くと見るでは大違い。 知られざる大国ですよ。 庶民の生活には、余裕と活気が感じられました。 さて、日本は、どうなんでしょうか? 今の政府に対しては、無関心も民意であり、支持と同等になってしまってますね。 花てぼさんをはじめ、行動を起こしておられる方々に心からエールを送ります。

投稿: OTTO | 2015年7月 9日 (木) 09時16分

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