« 積載効率 | トップページ | サボテンの春 »

2016年5月26日 (木)

夢のネコ

Img_3883 僕は、夢をよく見るほうだと思う。 でも目覚めた時には薄れてしまっているし、すぐに記憶の奥に仕舞われてしまって、どうにも取り出せなくなる。 皆そうなのだろうか?
 
時々、どこかで見た景色だ、とか、前にあったことだ、なんてことがある。 確信をもって。 よく考えれば、そんなはずは絶対にないのに。 それは、奥底に仕舞われていた夢の断片が、唐突に現れたのだと思っている。
 
僕は、ここ3夜、続けざまに夢を見ている。 鮮明な夢。 めったにないことだ。 あんまり鮮明なんで、寝床で何度も思い起こした。 それで、はっきりと思い出せる。 いずれもネコと水の夢だ。
 
 
>最初の夢。
 
 僕は夜道を家路を急いでいる。 海のにおいがする水路に沿った暗い道。 先に橋があるのを僕は知っている。 思いがけなく僕の飼いネコが僕の前に現れた。 どうしてこんなところに? 僕はネコを腕に抱きあげる。 大きなネコだ、すぐに腕が疲れた。 橋を渡る前に逃げられたらネコは迷子になってしまう。 僕はネコの前足をしっかりと掴む。 そして橋を渡る。 コンクリートの運河。 暗い水面が揺れている。 橋を渡り終える。 もう大丈夫と思ったとたん、ネコは僕の腕をすり抜けて闇に消えた。 僕はたまらない不安に駆られて夜道を駆けだす。 ネコは目の前で僕を見ている。 いた! 僕は駆け寄ろうとする。 でも近づけない、どうしても。 ここで目が覚めた。 胸の動悸を静めながら夢を思い返しているうちに、あのネコが、近所の人が仕掛けた毒餌で死んだ、野良猫上がりのオリソンタルだったのに気が付いて驚いた。
 
 
>次の夜の夢。
 
 目に前に大きな岩があり、波が砕けている。 とても通れない大きな波だ。 でも僕は向こうに行かなければならなかった。 迂回路の石畳の道を行く。 村に出た。 来たことがある村だ。 トラネコが現れた。 僕の飼い猫だ。 ここは僕の村だったのかな。 安堵と不安の混じった気持ちだ。 やがて僕はネコを膝に乗せて海を見下ろす岩に座っていた。 やっぱり違う、早くここを立ち去らないと。 でもネコは膝の上で寝ている。 起こしてはいけない、起きるまで待たなきゃ。 焦燥に駆られながら僕は動けない。 やがて沖に巨大な波が見えた。 来た! そう思ったとたんにネコは僕の膝を蹴って走り去る。 待ってくれ! ぼくはネコを追おうと立ち上がる。 目が覚めた。 まだ夜半過ぎだった。 朝まで胸の焦燥感は去らなかった。 あのネコが誰だったのか、いくら考えても分からない。 夢の中では確かに僕の飼い猫だったのに。
 
 
>昨夜の夢。
 
 僕は木の板でできた橋の上に座っていた。 隣にクロネコがいる。 漁網を積んだ小さな漁船が橋の下を行き来している。 クロネコはいきなり船に飛び降りた。 僕は慌てて浜に駆け降りる。 船は遠ざかっていく。 やがて僕は真っ暗闇で波に揉まれて浮いている。 そして僕は船の上にいた。 横にクロネコがいる。 月夜の鏡のような海面を船は滑っている。 薄黄のクロネコの目に青い月が映っている。 クロネコは僕を仰ぎ見て、笑って言う、岸に帰らなくていいのか? 僕は急に不安になって立ちあがる。 船が大きく揺れて僕は海に落ちそうにつんのめる。 そこで目が覚めた。 まだ夜明けには間がある時刻だった。 満月が、窓から僕を見下ろしていた。 あのクロネコも、僕がよく知っているネコなのに、誰だかわからない。 僕に縁があったネコたちの複合体だったのかもしれない。
 
 
僕がいつか、冷たい夜の雨に打たれながら、真っ暗な川面を、たった独りで渡るとき、ネコたちがそっと、導いてくれるのだろうか?

|

« 積載効率 | トップページ | サボテンの春 »

ネコの不思議話」カテゴリの記事

ペット」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1265829/65666232

この記事へのトラックバック一覧です: 夢のネコ:

« 積載効率 | トップページ | サボテンの春 »