« 2016年9月 | トップページ | 2016年11月 »

2016年10月

2016年10月30日 (日)

着生ラン、第二弾開花

Img_5825bbb我が家の着生ランが、今朝開花しました。

僕が住むシナロア南部の原生林の木の幹なんかに着生している種類です。 以前に記事にしていますので、ご覧ください。

http://teacapan.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-7edf.html

http://teacapan.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-c022.html
 
Img_5824bbb今年の1月に庭のマンゴーの幹に、麻縄で縛りつけました。 あとは、ほったらかしです。 そしたら約2か月前に葉っぱの基部から花芽が出てきて、それがどんどん伸びて60cmぐらいになり、先に蕾の房が現れ、ついに今朝、無事開花しました。 OTTOおじさんのパンツが隣に干してありますが、それが良かったのかも。 明日には枯れてたりしてね(*^-^)。
 
Img_5826bbb5月に開花したのに続いて、2種類目ですが、今回のは大輪の美麗花です。 花径は7cmぐらいあります。
 
Img_5824bbb_2 葉っぱはこんなです。 石灰岩質の渓流沿いに見られる種類です。 何というランですかね?
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年10月28日 (金)

老料理人

Img_5672blさて、昨日の漁獲を、今日は料理しました。 コボラは、骨にたっぶり身をつけて、3枚に卸して、から揚げに。 手前左がそれです。 骨に付いてる身もカラッと揚がって、ガリガリ齧って美味しいんです。 ボリュームも増えるしね。

右下のギョーザみたいなやつは、下の息子のレシピで、エクアドル風マッシュポテトのエンパナダ。 もちろん生のジャガイモを茹でて粉吹きにし、潰して味付けして、トルティージャに挟んで鉄板で焼いてます。 頑張りました。
 
Img_5715bll丸のから揚げも作りました。
 
Img_5682bll網に絡まって上がってきた、不運なワタリガニ一匹。 心を込めて、茹で上げました。
 
ところがですな、料理ってけっこう疲れるのね。 さあ出来たぞってところでコカ・コーラの配達があり、僕はベッドで横になって家族どもの手が空くのを待ってたんですが、昨日の投網漁の疲れと、やり遂げたって安堵が睡魔を呼び、そのまま寝入ってしまいました。 年は取りたくないもんですな。 

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2016年10月27日 (木)

老漁師

Img_5726bll夕暮れ時のテアカパンの浜でくつろぐ村人たち。

雨季が過ぎ、まだまだ30度越えの毎日ですが、すこし湿度が下がりました。 蚊も減って、やっと過ごしやすい季節が到来しつつあります。 海水浴も、今から春までのほうが気持ちが良いんです。 海水温はお正月でも25度ありますから。

Img_5738bll_2そのかわり、日が短くなりましたな。 昨日は、店を閉めて投網を掴んで村はずれの浜に出れば、もう日が沈むところ。 鳥たちも夕日を眺めてます。

Img_5742東の地平に、名残の入道雲。 頭に傘を被ってますな。 どんな気流でこんなふうになるんでしょうかかね?

さて、頃は良し夕まずめ、潮もかないぬ。 夜まで投網を打とう。 食べきれない分は、開いて干物にすればいいもんね。

Img_5712blしかしながら、皮算用むなしく、真っ暗になるまで頑張って、これだけです。 コボラ、コンスタンティノ(スズキの仲間)、ヒラメ一つ。
 
ああ、今朝は体が痛いです、腰は伸びないし腕も肩もパンパン。 まあ、あれだけ投網打てばね。 さあ、張り切って料理しなきゃ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年10月25日 (火)

たぶらかされんぞ

Img_5658bllこのアマガエル君なんですがね、最近お店のテラスのプラスティックの椅子がお宿のようで、毎朝テーブルをセットするときに、お立ち退きいただいてます。 ひょっとしたら、夜に居間でPCに向かってるときに、デスクに這い上がって来る緑の子と同じ奴かもしれません。 椅子に合わせて、体色を変えてますが、淡い灰色どまりです。

アマガエルって、緑のイメージが強いでしょ。 それでね、お前、本当にアマガエルか? 白いアマガエルなんて似合わないぜ、なんてね、念力を込めて話しかけてました。 まあ、毎朝捕まえて、カエルのションベンを滴らせながら草むらに放してやるんですが、結構面倒くさいし、椅子も汚れるし、そろそろ居場所を変えてもらいたかったこともありましてね。

そしたら今朝は、あらま、カエルちゃん、居ない~。 心配になって探してたら、すぐ横の植込みの下の土の上からこっちを見てるじゃないですか。

Img_5693llb おお、微妙に体色を変えて、それらしい模様をつけてきたな。 土に保護色になってます。

以下、カエル君との会話。

お見事、よくできました、でもやっぱり土色のアマガエルってさまにならないぜ。

えへへ、実はあたし、ツチガエルだったんで~す。

うぬぬ、たぶらかされんぞ、お前はアマガエルじゃ。

そ~です、やっと分かってくれましたねヽ(´▽`)/。

...m(_ _)m...。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年10月24日 (月)

何屋さん?

今朝、どうもキッチンが臭いなと思ったら、冷蔵庫の周りが水浸し。 開けてみたら、さっぱり冷えてない。 コンプレッサーが熱くなってて、ガラガラ変な音がしてます。

早速村の修理屋さんのセノンさんに来てもらったんですが、冷媒が漏れてますな、持って帰ってチェックしなきゃ、それからドアのシールがボロボロで冷気がダダ漏れだったはずです、これも取り替えないと、またすぐに壊れますよ。 いつ直ります? シールは隣町に売ってますからOTTOが買いに行ってください、それから私は午後しか時間が取れないから、漏れの修理も早くて来週です。

セノンさんは、村の中学校の技術の先生でもありまして、放課後(?)はご自分の仕事として、冷蔵庫やエアコン、洗濯機の修理をやってるんです。 それから下取り冷蔵庫や洗濯機を直して中古販売や貸し出しもする、奥様は中古洗濯機でランドリーや洗濯サービスもやってます。

う~来週かぁ、困るなぁ。 セノンさん、手頃な中古、ないですか? ああ、たくさんあるよ。 という訳で、中古を持って来てもらいました。 3000ペソ(約1万6000円)。 壊れた奴は1000ペソで下取りしてもらって、払ったのは2000ペソです。

Img_5673blこれがその中古品です。 普通の、旧型の2ドア冷蔵庫です。 メキシコでは、今もこの手の冷蔵庫が主流です、新品なら3万円ぐらいでしょうか。
 
Img_5674bl早速、業務用冷蔵庫に押し込んでた食べ物を入れる。 よく冷えます。 痛い出費でしたが、やれやれです。
 
Img_5667blところで、ここがセノンさんの店なんですが、普通のお宅で、しょぼい手書きの洗濯屋のサインがあるだけです。
 
元々はこのサインもなくて、看板ぐらい出さないと、英語堪能なんだからそれも書いとけばアメリカ人も来るぞって言って、最近やっとつけたんです。
 
セノンさん、お客増えたでしょ。 いいえ、変わりないです、だって看板なんかなくても、みんな知ってますから、小っ恥ずかしいから外そうと思ってます。 う~(^-^;。
 
うちみたいなメキシコの田舎では、なんの看板も出てない商売って多いんです。 僕もテアカパンに来た当時は、村の人に聞いて、家の戸を叩き、犬に吠えられ、あちこちさまよった末にやっと辿り着く、なんてことばっかりでした。 やっと見つけたと思ったら奥さんが出てきて、ああ今日は仕事ないから漁に出てるよ、夕方にまたおいで、なんてことも。 まあ、他所から来た人のために商売やってるわけじゃないから、それでいいんですけどね。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016年10月19日 (水)

チョプスイ

Img_5662bl昨夜も雷雨。 もう10月も半ば過ぎですから、秋風が立ってなきゃいけないんですが、今年は雨季がだらだら終わらず、毎日30度越えの蒸し暑い日が続いてます。

さて、こういう時は、野菜をばりばり食って、元気付けなきゃね。 という訳で、今日のお昼は奮発して、モヤシ入りの野菜炒めです。
 
何が奮発だよってお思いでしょうね。 いえね、メキシコではモヤシは珍しい野菜で、結構高いんです。 スーパーにちょこっと置いてるだけで、1キロ35ペソ(200円近く)もします。 この値段は、野菜としては非常に高い。 だいいち、鶏がキロ30ペソですからね。
 
Img_5666bl 今日買ってきた、メキシコのモヤシ。 日本のと同じですかね? 中国人が栽培して、卸してるそうです。
 
でね、こちらではモヤシは、スーパーではフリホル・ナシド(JURIJOL NACIDO, 目が出た豆)っていう名前で売ってますが、通称はチョプスイ(CHOP SUEY)です。
 
ご存知の方も多いかと思いますが、チョプスイは本来、アメリカ発祥のアメリカ圏にしか存在しない中華野菜炒めのことです。 閉店間際にアメリカ人の客が来て、何か食わせろって言うもんで、有り合わせの野菜で炒め物をつくった。 こりゃ旨い、なんて料理だ? え~っと、適当に言っちゃえ、チョプスイで~す。 それが起源だとか。 で、メキシコでは、なぜかそれが転化して、モヤシのことになってます。 たぶん、メキシコの中華料理屋のチョプスイは、モヤシがごっそり入ってたんでしょうな。
 
久しぶりの、モヤシ入り野菜炒め。 家族どもも、おお、チョプスイ入りの本物の野菜炒めだ(?)、と大喜び。 しゃきしゃき、美味しかったです。 もう少し安ければ、毎日でも食べられるんだけどね。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2016年10月18日 (火)

愛馬

僕が住むシナロア州では、ちょっと町外れに行けば、けっこう馬を見かけます。 僕が住むテアカパンのような村では、いまだに農耕に馬を使う人もいます。 まあでも、今ではトラクターが畑を耕し、荷物はトラックが運びますから、相当な山のなかのランチョ(RANCHO、牧農場)で、車が通れない山道を行くようなことでもない限り、もう馬は必要ないように思います。 それでも馬がいないと寂しくて、今までどおりなんとなく馬を飼い続けていて、時々乗ったりするような、そんな人たちが、まだたくさんいるんだと思います。

Img_5632bllさて、僕が住むテアカパン村の隣町、エスクィナパの通りです。
 
こうして馬運車にお馬を乗っけて引っ張ってるのは見慣れた風景なんですが、おやおや、似顔絵が描いてありますな。 乗ってるのは、実物なんでしょうね。
 
Img_5632blll愛馬なんでしょう、なかなか可愛く描けてます。 実物は少しやつれた風情ですが、飼い主には、いつまでも若駒のままなんでしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年10月17日 (月)

秋のテアカパン

Img_5643bl_2 ここ2か月ばかり、南米の記事ばかりでしたが、今回から僕が住むメキシコ西海岸、南シナロア(SINALOA)州の海辺の村、テアカパンの日常に戻ります。 なんだかんだ言っても、僕の楽園ですからね。

昨日は、食堂はお休み。 お昼過ぎの干潮時を狙って、浜に行きました。 まだまだ、入道雲が盛り上がる、真昼の夏の海です。

ここは北回帰線のやや南ですから常夏熱帯域になりまして、10月も半ばだというのに最高気温は毎日30度越え、朝方でも27度あります。 海水温は今、28度だそうです。 それでも季節はありまして、雨季が過ぎ去った今が秋、12月~2月の冬には、真夏の北海道のような、素晴らしい気候になります。

Img_5647blさて、1時間ほど投網を打って、漁獲はこれだけです。
 
上の黒っぽい魚は、日本のクロハギ、Acanthurus xanthopterusと同じ種類だと思います。 二ザダイ科。 ニモの友達、ドリーの近縁種です。 この仲間、英名はSURGEON FISH。 メキシコでも、SIRUJANOと呼ばれています。 執刀医魚という意味です。 尾びれの付け根にナイフ状の棘があり、うっかり掴むととざっくり切って血だらけになります。 他にフエダイ、コボラ、ヒラアジ、モハラ(クロサギの近縁種)など。 これで十分です、二日分のおかずになりますな。
 
まあでもね、最近はテアカパンでも、魚が減ってましてね。 一昔前なら、投網の第一投で予定数が獲れてしまって、これじゃあ運動にもならん、なんてこともよくあったのに。 マングローブ林や湿地が壊されてエビ養殖場や放牧地になり、アメリカへの輸出用のトマトやチリの大規模栽培のために大量の除草剤や農薬が使用されるようになり。 ここ20年ほどで、複合的な環境破壊が進んだ結果だと思います。 名産物だったエビも、ここ数年はさっぱり獲れなくなりました。 浜の景色は、昔のままなんですけどね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年10月13日 (木)

カヨカマ パカリ (童話の下書き)

久しぶりに、童話、行きます。 エクアドルのアンデス山脈の、風の中の小さな村でのお話しです。 ちょっと長いですが、いっぺんに載せます。 最後まで読んでいただければ、嬉しく存じます。 それでは、どうかよろしく。
 
カヨカマ パカリ
 
Img_5281pacariエクアドルの首都、キトから西に一山超えたところ、アンデス山脈の中に、ジョアという村があります。 赤道の真下ですが、標高が3000mもあるところですから、一年中涼しくて、それからいつも風が吹いている村です。
 
わたくしは、この小さな村の日曜日ごとに立つ朝市を見るために、夜明け前に宿を出て、バスを乗り継いで来ました。 外国人などめったにこない小さな村ですから、何か珍しい物があるのではないかと思ったのです。
 
ところが市といっても、ほんの1500人ほどの村の人が普段の買い物をするだけのものですから、通り一つにまばらに露店があるだけです。 半時間もあれば、見終わってしまうのです。 キトへ戻るバスは、お昼過ぎまでありません。 わたくしは時間を持て余してしまいました。
 
...景色のいいところでゆっくりしよう...。
 
わたくしは、村の向こうに見える丘を目指して歩き始めました。
 
Img_5332pacari黒い土の坂道は、やがて車がやっと一台通れる幅になり、まるで登山道のような、つづら折になりました。 あたりの山肌は段々畑に耕されていて、白壁に黒っぽい瓦葺きの小さな家がぽつんと建っています。
 
畑には見慣れない作物が茂っていて、紫色の花で染まっています。 何だろうと眺めるうちに、それが馬鈴薯だと思い当たりました。
 
...ああ、懐かしい。 子供の頃、裏庭の畑に咲いてたっけ...。
 
見渡せば青い山並み、その向こうに小さく、万年雪の山々が見えます。 風が斜面を駆け上り、馬鈴薯畑に波を立てます。
 
その時わたくしは、高山の薄い空気と坂道とで、すっかり息が切れていました。
 
...きれいなところだな、もうここでいいや...。
 
わたくしは、ふらふらと馬鈴薯畑に入っていきました。 そうすると思いがけなく、畝の窪みに、小さな女の子がいたのです。
 
わたくしは驚いて、その場に立ちすくんでしまいました。
 
急な登り斜面だったのと、丈高く茂った馬鈴薯の枝葉に隠れて、目の前に来るまで気がつかなかったのです。
 
女の子は土の上に座って、膝には裸のお人形が乗っています。 確かにわたくしに気が付いているのですが、全く気にする風でなく、一心にしゃもじで土をお椀に盛っています。
 
わたくしは、少し安心しました。 そして、にわかに興味がわいてきました。 わたくしにも同じぐらいの歳の末娘がいるので、どうしても気になってしまうのです。   
 
女の子は、6歳ぐらいでしょうか。 ピンクのポンチョのフードから覗く黒い瞳。 目は細く、頬は赤く、この国の山岳民族の顔だちをしています。
 
Img_5331pacari 雲間から日が差し、逆光の風の中、馬鈴薯の花が紫の星のように輝きます。 女の子の黒髪に虹がかかり、花房は髪飾りのようです。
 
”パカリ~...。”
 
そのとき、女の声が聞こえました。 女の子はパッと顔をあげると、お人形を胸に抱え、小さな家のほうに駆けて行きます。
 
”パカリ~...。 パカリ~...。”
 
山岳民族の言葉の歌うような呼び声は、何度も繰り返し響きました。 お母さんでしょうか。
 
わたくしは、すっかり気まずい思いになりました。 見咎められたと思ったのです。 すぐに馬鈴薯畑を後にして、村へ戻ることにしました。
 
 
坂道を下り、村の家々が見え始めたころ、後ろからエンジン音が響き、つづら折りをおんぼろのピックアップトラックが、ぱたぱた煙を吐きながら下りて来ます。
 
わたくしは脇によけて立ち止まる。 運転席から中年のご夫婦が軽く手を上げ、ガタガタと通りすぎる。
 
”カヨカマ~。”
 
かわいい声が響きました。 なんと、あの馬鈴薯畑の女の子が、荷台から手を振っているではありませんか。
 
わたくしは、いったいどうしたんでしょうかね、もう飛び上がるぐらいに嬉しくなってしまいました。
 
カヨカマ~...。 いったいなんて言ってるんだろう? まるで小鳥が囀るような...。
 
わたくしは、馬鈴薯畑でのことがありましたから、少し遠慮するような気持でした。 それで、黙って小さく手をひらひらと振りました。 そうすると女の子は、確かに少し笑ったのです。
 
Img_5321pacari さて、わたくしはジョア村に戻ったのですが、まだお昼まで小一時間あります。 村を散歩するうちに、小さな教会に行き当たりました。 横の石畳に古物の露店があり、先程のご夫婦がいます。 そうして、前の広場で、ピンクのポンチョの女の子が遊んでいます。 
 
居た居た。 あはは、ほら居た...。
 
じつを言うと、なんとなくですが、村のどこかで、またあの女の子に会えるような気がしていたのです。
 
”やあ、こんにちわ。 さきほどは、どうも失礼しました。”
 
わたくしはご夫婦に丁寧にあいさつをして、それから手織りのポンチョや帽子などを手に取りました。
 
ご夫婦はケチュア族の方でした。 お二人の間ではケチュア語を話しますが、わたくしとはスペイン語です。 山の暮らしをお聞きし、わたくしもおぼつかないスペイン語で、はじめてのエクアドルの感想や、わたくしが住むメキシコの海辺の村のことを話しました。 そうする間もわたくしは、女の子が気になって仕方がありませんでした。
 
女の子は少し離れたところで、地面に絵を描いてピョンピョン跳ねたり、石ころを転がして遊んでいます。 わたくしをちらちら見たりもします。 ご夫婦がケチュアの言葉で声をかけると、女の子もケチュア語で、小鳥のように短く答える。 さきほど馬鈴薯畑で聞いた、パカリという言葉が何度も出てきます。 わたくしは、思い切って聞いてみました。
 
”娘さんは、パカリさんとおっしゃるのですか?”
 
”ええ、そうです。 パカリは、私どもの一人娘です。 パカリ...、私どもの言葉で、夜が明けるっていう意味です。”
 
”そうですか。 夜が明ける、素敵なお名前ですね。 こんにちわ、パカリさん。”
 
わたくしが言うと、パカリはうつむいて、少しはにかんだようです。
 
そのとき、広場の前にマイクロバスが入ってきました。 クラクションが、けたたましく鳴り響きます。
 
”ああ、バスが来た。 わたくしは行かないといけません。 どうもありがとう。 ごめんください。 さよなら。”
 
”ええ、さよなら。 気を付けて、行ってらっしゃい。”
 
ご夫婦は、わたくしが買い求めたポンチョを大慌てで袋に入れます。 わたくしは包みを胸に抱えると、バスへ走りました。
 
ご夫婦の声が追いかけてきます。
 
”カヨカマ~。 私たちは、さよならの時、そう言うんです。 どうか、お達者で。 カヨカマ~。”
 
カヨカマ...? 聞き覚えのある言葉...、なんだったっけ...?
 
わたくしは大慌てで窓際に座ると、窓から広場を見下ろしました。 あのご夫婦が、手を振っています。
 
パカリは? パカリはどこだろう? パカリがいない!
 
パカリの姿は、どこに見えないのです。
 
...どうしたんだろうか...?
 
扉が閉まり、バスはぶるぶる震えると、動き出します。
 
Img_5323pacari そのとき、広場の真ん中の看板の後ろから、パカリがぴょんと姿を現しました。 恥ずかしそうに笑って、わたくしに小さく手を振る...。
 
”カヨカマ~...。”
 
ああ、そうだ。 カヨカマ...。 小鳥が囀るような声...。
 
”カヨカマ~、パカリ~。”
 
わたくしはバスの窓から身を乗り出して、叫びました。
 
”カヨカマ~...。”
 
”カヨカマ~、パカリ~...。”
 
パカリのピンクのポンチョが小さくなり、バスは辻を曲がります。 いつも風の中の、アンデスの小さな村が遠ざかっていきます。
 
Img_5253pacari わたくしは席に腰を落とすと、青い山肌に雲の影が流れていくのを眺めながら、思いました。
 
...パカリがわたくしに言った言葉は、さよならの言葉の、カヨカマだけだった...。
 
”カヨカマ~...。”
 
わたくしの胸のなかで、パカリの声が、こだまのように響いています。
 
 
”あの女の子は、あなたの娘さんですか? それともお孫さんでしょうか?”
 
隣の席の、アンデスの人の服装の青年が、訊ねます。
 
わたくしは、急な問いかけに驚き、答えを探します。
 
”...いいえ、違います。 わたくしは...、わたくしは、あの子の誰でもないんです。”
 
そう答えたとき、唐突に悲しみが、風のようにわたくしの胸を満たしました。 どうしたことか、目頭が熱くなり、涙さえ湧いてきたのです。
 
わたくしは、声を絞り出しました。
 
”...でも、大切な人なんです...。”
 
”そうのようですね。”
 
青年はうなづいて、それからじっとわたくしを見て、少し笑って言いました。
 
”あなたにも、きっとあの子にも。”
 
 
noteカヨカマ パカリ 風の中
 
馬鈴薯畑の 王女様
 
星空巡り 夜が明ける
 
パカリは今日も 風の中note
 
 
...おしまい...。
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016年10月11日 (火)

エクアドルの根菜

エクアドルの市場で見た、変わった根菜を、お見せします。

Img_5065ecオカ(OCA)。

市場や露店に、普通に見かけました。 ジャガイモと同じように使うそうです。 味は、ジャガイモよりも少し歯ごたえがあって、いささか酸っぱいとか? ちょっと想像がつきませんね。 残念ながら、食べるチャンス、ありませんでした。

調べてみましたら、びっくり。 Oxalis tuberosaという植物の根茎なんですが、オキザリス(Oxalis)って、カタバミの仲間です。 確かにカタバミには根茎が出来ますし、葉っぱは酸っぱい。 しかしこの仲間が根菜として利用されてるとはね。 アンデス地方で広く栽培されているとのことです。

Img_5066ec寸詰まりのダイコンみたいな根菜。 市場のオバサンに訊きましたら、白ニンジン(Zanahoria blanca)だと言います。 何も知らない外国人だと思って、からかってるのかな? しかし、クンクンかいでみると、確かにニンジンの匂いがします。 用途は普通のニンジンと同じだそうですが、ニンジンより美味しいとか。 う~ん、残念、食べてみたかった。
 
これも、調べてみました。 学名、Arracacia xanthorrhiza アンデス地方原産。 ケチュア語で、ラカチャ(Raqacha)。 アラカチャ(ARRACACHA)とも言うようです。 
 
やはり、ニンジンやセロリと同じ、セリ科の植物でした。 アンデスの山地で栽培されているとのこと。
 
さすが、アンデス。 うぬぬと思わす唸るような、変わった食材がありますな。
 
Img_5067ecこれは、現地名バタタ(Batata)。 サツマイモのことです。
 
エクアドルのサツマイモは、中が鮮やかなオレンジ色です。 肉や魚料理の付け合わせで、皮をむいて茹でたのが、よく出てきました。 ちょっと水っぽくてねっとりしてて、ほくほく感はないです。 アメリカのヤムに似ています。 メキシコの、黄色いほくほくサツマイモ(CAMOTE)のほうが、僕には好みかな。 ちなみにサツマイモは、中南米が原産地だそうです。
 
Img_5069ecこれは、ユカ(Yuca)。 学名、Manihot esculenta 
 
日本では、キャッサバと言う名前で知られている(?)イモです。 この作物も、南米が原産だとか。 エクアドルでは、暑い低地で栽培されていて、海岸地方では準主食だそうです。 熱帯地方ではどこにでもある食材ですが、どんなふうに調理するのかな? こんど行ったらエクアドル風ユカ料理、絶対に食べてみないとね。  

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016年10月10日 (月)

エクアドルのジャガイモ

Img_5325ecエクアドル(ECUADOR)の首都、キト(QUITO)の周辺の村から周囲の山を望むと、山肌の斜面に耕作地が広がっています。

Img_5330ecもう一枚、行きましょう。 ジョアという標高3000mほどの村からの景色ですが、相当高い所まで耕してますね。
 
Img_5329ec何を植えてるんだろう? 頑張って行ってみると、ジャガイモ畑でした。 そうそう、ジャガイモはエクアドルの主食でした。
 
この辺りは、年中日本の10月ぐらいの気候で、天水まかせで年中ジャガイモが採れるとか。 ちなみに、ジャガイモの原産地はアンデスの高地だそうです。 この辺りが故郷なのかもしれません。
 
Img_5334ec露店では、大きな籠で売ってます。 バスでも、ジャガイモの籠を下げたご婦人方が乗り込んで来ます。 これが流通単位のようです。
 
Img_5070ec 市場には、イモ類専門の店が軒を連ねてまして、いろんな種類のジャガイモがあります。 それぞれに持ち味があり、用途があるんでしょう、極めてみたいもんですな。
 
Img_5068ecいかにも栄養がありそうな、紫色のジャガイモ。 中まで紫ですが、残念ながら色は調理すると、ほとんど落ちちゃうそうです。
 
Img_5340ec エクアドルでは、どんな料理にも、ジャガイモが付いてきます。 スープや煮物も、ジャガイモが主体です。 写真は、ブタ丸焼き屋台ですが、マッシュポテトを丸めてブタの油で焼いたのが付いてきました。 エクアドルではトルティージャはありませんから、このイモ玉でおなかを膨らませます。 ジャガイモの滋味とブタの旨みが濃くて、極めて美味。 ジャガイモって、こんなに美味しかったのね。
 
Img_5341ec 円盤状に潰して揚げたのもあります。 ジャガイモそのものですが、これだけでいくらでも食べられます。
 
うわぁ、健康に悪そう~、ですか? いやいや、清浄な環境で育った食材をバランスよく摂ればOKです。 それから、美味しく食べることが、なりより大切かと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年10月 8日 (土)

エクアドルの庶民食

エクアドルでは、もっぱらキトの庶民街で食事をしました。 ほんの4日間で、エクアドル料理を堪能したとはとても言えませんが、庶民食堂はびっくりの安さでした。

Img_5014710_2 セビチェ(CEVICHE)。
 
ラテンアメリカでは、たいていの国に、生の魚介をライムかレモンでマリネした冷菜、セビチェがあります。 エクアドル風は、トマトベースの汁にどっぷり浸かってます。 酸味は弱めで汁も飲める、全然辛くないです、たぶんチリ(アヒー、AJIと言います)は入ってないです。 薬味はネギと香菜です。 メキシコのセビチェとかなり違います。 僕は辛いのに慣れてるんで、チリソースを持ってきてもらいましたが、このソースもさっぱり辛くない。 エビたっぷりで美味しかったですが、ちょっと物足りない気分。 6ドル。
 
Img_5012710_2エビと白身魚のココナッツミルク味。
 
エクアドルの食事には、白ご飯が付いてくる。 長粒米ですが、しっかりと炊けてます。 このソース、少しの酸味と甘みがあって不思議な風味。 聞いてみましたら、パッションフルーツの果肉が入ってるそです。 揚げバナナ付き。 7ドル。
 
Img_5013710_3エクアドル風焼きめし、カニ肉かけ。
 
中華じゃなくて、普通のエクアドルレストランの料理です。 チョウファン(CYOUFAN?)って名前だったと思います。 ひょっとして、チャーハンが語源なのかも。 エクアドルには中国移民が多いそうです。 味は、どっちかというとパエリア風で洋風スパイスが効いてます。 しかしネギがしっかり入ってる、不思議な調和で非常に美味しい。 甘酸っぱい揚げバナナが合います。 3人で分けてちょうど良い大盛りです。 7ドル。
 
な~んだ、ちっとも安くないやん、とお思いでしょうね。 ここまでは、まともな店構えの観光客用レストランの料理ですから。
 
この先が、庶民食堂の料理です。
 
Img_5413710_2定食1ドル50セント(約150円)とあったので、入ってみました。 出てきたのが、これ。 肉とマカロニの、どろどろ濃厚スープ。 う~、やられた、やっぱり安すぎたか、と思いました。 でも、大鉢いっぱいの量で、肉の味が効いてて美味しい。 大方食べ終わって、かなり腹が膨れたところに、下のお皿が出てきました。 これ、前菜のスープだったのね。
 
Img_5414710_2肉とジャガイモの煮込み。 ご飯もっぷり。 味も上々です。 これで、1ドル50セントは安いわ。
 
Img_5130710_2これは、鶏のスープ。 具は、足、首、玉ひも(腹から出した未成熟の卵)です。 ぼくはこういうゲテモノ系、好きです。 白ご飯とサラダ、ドリンク付きで1ドル75セント。
 
エクアドルの庶民食堂では、こんな感じの定食が、ドリンク付きで3ドル以下で食べられます。
 
Img_5137710_2これも定食屋ですが、心臓とタン、それから牛腸とジャガイモの煮込みの2種類あったので、半々にしてもらいました。 2ドル25セントです。 内臓系の料理は安いんです。 同じ煮込みでも、肉なら3ドル。 このジャガイモ、ほくほくで味がしっかりしてて美味しい。
 
品のない盛り付けがいかにも安食堂ですが、スプーンでご飯に絡めてガツガツ食べるには良いです。 エクアドルでは、いつもご飯が食べられるんで、おなかの調子も良好でした。
 
Img_5261710_2食堂のテーブルには、こんなサルサがおかれています。 少し辛いのと、全然辛くないのと。 ご飯や料理にかければ、さっぱりおいしく食べられます。
 
Img_5275710_3これは一応、中華です。 なんと、パンが付いてきました。 ちょっと値が張って、4ドル50セント。 水っぽくて旨みなし、化学調味料を使ってないからかな、不味かったです。 まあ、他のエクアドル食堂が美味しかったから、そう感じただけかもしれません。
 
Img_5339710_2これは、道端の屋台。 全然粒がそろわない、でこぼこの茹で白トウモロコシ。 それから親指の先ぐらいの小ジャガイモとソラマメの塩茹で。 トウモロコシ1本とシャモジいっぱいの塩茹でをちゃちゃっと皿に盛って、1ドルです。 これが美味しいのよね、オヤツに最高。 お腹も十分に膨れます。 これと1ドル50セントの定食で一日過ごせます、栄養もたっぷりです。  おまけに気候は良いし人心穏やか、天国じゃないですかね、ここ。 エクアドル移住計画でもたてましょうか、いかがです?  

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016年10月 4日 (火)

クイ、喰いねぇ

Img_529333 キト郊外の山の中の小さな村、ジョア(LLOA)。 小さな朝市は、あっという間に見終わってしまい、さてどうしようか? せっかくなんで、山の空気を吸いながら、朝飯でも食うか。 何があるのかな? 屋台を見て回ってましたら、こんな看板が。 上のポンチョを着たネズミなんですがね。
 
アクアドルのアンデス山岳地帯で、クイ(CUY)っていうテンジクネズミの一種を食用にしてるって言う話は聞いてました。 テンジクネズミって、まあモルモット類なんですが。
 
出たな! 噂のクイ、肉食系男子、OTTOおじさん(また言ってる)、これは避けては通れません。
 
お兄さん、クイ、食いたいんですけど(スペイン語でです)、何があんの? ああ、今日はアサド(ASADO、焙り焼き)だよ、ほら、あそこ。 
 
Img_530333 すみません、陰になっちゃいました。 クイの丸焼きです。 けっこうでかくて、35cmぐらいあります。 やっぱり顔はモロにネズミです。
 
ヒゲは焼けたなとか、やっぱり前歯があるな、なんてぶつぶつ言いながら、しげしげと眺めてましたら、お兄さん、一匹15ドル(約1500円、エクアドルの通貨は米ドル)だよ。
 
高いなぁ。 僕があんまり感心して見てるんで、吹っ掛けられたかなと思いました。 今日の朝市では、僕が唯一の外国人のようだし。
 
こういう時は、僕は諦めが良いんです。 ラトン(RATON、ネズミ)一匹に15ドルは高いよ、隣の屋台のロクロ(ジャガイモスープ)なら2ドルじゃん、またこんどにするわ。 あ~、待って待って、ラトンじゃないよ、クイだよ、美味しいんだよ。 朝飯に大ネズミ(しつこい)一匹は多すぎるよ。 なんだかんだで、クイ1/4の定食ドリンク付きで、3ドル50セントで交渉成立しました。 食べるところが多そうな、お尻の部分の縦割りをリクエスト。  
 
Img_530533 はい、クイ定食。 お若えの、クイ、喰いねぇ、なんてね(*^-^)。
 
Img_530633 一見、鶏ももみたいですが、足がネズミです。 味はですね、やっぱり鶏ももに似てますが、もっと筋肉が細かくて旨みたっぷり、特に気になる臭いはなし。 弾力がある歯ごたえで、とっても美味しい。 ただし、皮は靴底みたいに硬かったです。 お兄さんに訊いたら、湯に浸けて毛を抜き、剃刀で剃るそうな(゚o゚)。 丸焼きは、皮つきでないとダメだそうです。
 
Img_530733 あっという間に完食。 関節のところの軟骨が旨かったんでガリガリ齧ってたら、筋が歯に挟まって翌日まで苦しみました。
 
あとで村の人たちと話す機会があって、聞いてみましたら、クイを裏庭で飼ってるお宅も多くて、普通に食べてるそうです。 そうか、山でとっ捕まえてきたんじゃなくて、飼育ものだったのね。 考えてみれば、上の看板みたいなマダラの奴は山にはいないよね。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2016年9月 | トップページ | 2016年11月 »