« 霧の朝 | トップページ | テアカパンの大衆小魚3種 »

2019年3月 3日 (日)

いつも気にしてること

007pukip0ukiテアカパン郊外の畑。 陽春の空の下、手作業でチリを摘んでいます。 遠くに見える椰子の木立の向こうは海岸です。

テアカパンは砂州の半島でして、チリ、トマト、スイカなどの大産地です。 10月から1月に苗を植え、収穫は暑さが来る4月までです。 ここでは冬に夏野菜が採れます。

025pukip0uki従事しているのは、主にインディヘナの人達です。 普段は普通の人ではいけないようなシエラマドレの山岳地帯に住んでいて、11月からの農繁期に山を下りてきて農作業をしてくれる季節労働者。 俗に、コリタ(CORITA)と呼ばれる人達。 コラ族という部族の人達だから愛称でコリタですが、もろに蔑称でもあります。 メキシコ人ってほとんどみんなインディヘナの血をたっぷり持ってるのにね。

掘っ立て小屋に何十人も住んで床に雑魚寝して暮らし、こうしてピックアップの荷台に乗せられて畑に行く。 朝から日暮れまで土まみれで日に照らされて、歩合給の超低賃金で働く。

子供たちがたくさん乗ってますね。 この子たちも、大人たちと一緒に働きます。 もちろん学校なんか行かない。

僕は以前住んでた茅屋をインディヘナファミリーに貸してるし、近所にも住んでいて、投網で取った魚をあげたり農産物をいただいたり、彼らとはいささかの交流もありますが、正直で勤勉で気さくな、とても良い人たち。 ほとんどの人は彼らの言語以外にスペイン語も話すし。 聡明で約束は守る、話せる人達でもあります。

僕はね、目を吊り上げて、児童労働はいかんじゃないか、就学機会を奪うなんてとんでもない、なんて言う気は全くないです。 単にそういうライフスタイルの人達だと捉えてます。 暑い夏は山にいて、気候の良い冬下りてくる彼ら、羨ましく思うこともあります。

少なくともこの人たちは、蔑まれるような悪いことはなんにもしていない。 そして、シナロア州は野菜の大産地ですが、それを支えているのは彼らなんだし。 メキシコ人(彼らこそ本当のメキシコ人なんですがね)って悪い奴らだと思う。

だからね、彼らの献身的な家族総出の労働にたいして、少しでいいから労働条件が良くなり、フェアな賃金になり、手配師どもの搾取が適正になり、ほんの少し経済的に豊かになり、そして差別や蔑視がなくなり、最低限の文化的な生活ができるようになればと願います。 それだけで、もうあとは今のままで、何も変わらなくていいと思う。 彼らの住む山岳地帯の自然も今のままで。

4月になれば飛び去ってしまう、風のように自由な、心優しい冬鳥たち、どうもありがとう。 幸あることを願います。

|

« 霧の朝 | トップページ | テアカパンの大衆小魚3種 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
こういった集集約された生活に不満を持たず、季節の流れと共に生きている人達なんですね。
日本のように個を重んじ、プライベートやライフスタイルの極限までの利便性を追求する社会を振り返させられます。

投稿: huu | 2019年3月 8日 (金) 07時36分

>huuさん
コメントいただき、ありがとうございます。 教育が無く貧しく不潔な非文明人と一般のメキシコ人に卑まれている人達ですが、彼らには彼らの尊厳があり文化や知性があります。 彼らが先住民でありインディヘナであることを止めること無く、公正に受け入れられ対等に社会参加ができるべきだと思うのですが。 そして、なにより素敵な人達ですから。 

投稿: OTTO | 2019年3月 9日 (土) 01時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: いつも気にしてること:

« 霧の朝 | トップページ | テアカパンの大衆小魚3種 »