風土

2016年12月 4日 (日)

新築

Img_6114bll先月、ゲレロ州から農業の出稼ぎ季節労働にいらしたインディヘナの人たち、村外れの空き地にお宅を新築中です。

屋根は椰子の葉葺き(パラパと言います)、壁は椰子の葉柄でできています。
 
昼間は畑でチリやトマトを摘み、朝夕の僅かな時間で、仲間たち10人ばかり総出で野原で材料を集める。 パラパは扇葉椰子の木から葉っぱを切り落として陰干しにし、壁の葉柄は地面に落ちたココ椰子の葉っぱを掃除する。 奥様方も壁の立ち上げや屋根葺きをを手伝って、10日ばかりで完成間近になりました。
 
この人たち、この手のエコハウスを建てるのはお手の物です。
 
なかなか素敵な出来上がりです。 粗末なハンモックやカトレ(布製の簡易ベッド)で、みんなで雑魚寝ですが、年中海で泳げるテアカパンですから、これで十分です。 
 
インディヘナの季節農業労働者たちは、毎年農繁期の冬の間はテアカパンで働き、5月には山岳地帯の村に帰っていきます。
 
やりましたね、でも春には行っちゃうんでしょ? ああ、でもこうして家を建てれはほとんどタダだけど、借りると最低月2000ペソ(1万円ちょっと)だ。 それのこっちのほうが居心地も良いからね。
 
せっかく立派なお家ができたんだから、ずっとテアカパンにいれば? いやいやOTTO、ゲレロの山は良いぞ、きれいな川も泉もあって、シカやウサギだってたくさんいるのさ。 このごろはいろいろ金が要るからこうして働きに来てるけど、そうでなかったらずっと山にいるさ。
 
ふむふむ、身につまされる話ですな。 僕も海辺の村に籠って、今頃は仙人になってるはずだったんだけどね。

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2016年1月28日 (木)

煉瓦工場

Img_1597_convert_20160128013926煉瓦工場主のエリさんと。 焼きあがりたての煉瓦の山は、まだポカポカ温かいです。
 
煉瓦工場に行ってきました。 工場と言っても、建物はなく、原野の中の原っぱです。 まあ、作業場ですね。
 
煉瓦を注文したのが去年の10月。 今週火を入れるから、焼き上がりは来週だ、来週末には届けてやるよ。 ところが翌日、予期せぬ雷雨がありましてね、火入れを待っていた日干し煉瓦は雨に打たれて崩壊しました。
 
悪いな、OTTO。 天災だから勘弁してくれ、新しく作るから。 待つこと3か月、エリさんから、焼きあがったぜ、と連絡が来たんでね。 
 
Img_1581_convert_20160128014254焼きあがった、煉瓦の山。 上の部分が欠けてます。 朝早く、大きなトラックで、4000個配達したそうです。
 
日干しの煉瓦を、マヤのピラミッドみたいに積み上げて、周りを泥で固めて窯みたいにして、薪で2日ばかり蒸焼にします。 火を引いて冷めるまで数日放置、出来上がりです。 写真の山は、上の部分が持っていかれてます。
 
お前の煉瓦500個は一番下だ、良く焼けてるやつが欲しいんだろ。 ありがたいですな。 配達は上のが先だ、お前のはいちばん後だよ、早くて来週だな。 (´・ω・`)。
 
Img_1583_convert_20160128014558 あたりには成形され乾燥中の煉瓦が並んでます。 手前の薄いのは、屋根を葺くためのも、奥に見えるのが普通の煉瓦です。
38cmX15cmが今の煉瓦のサイズだよ、昔は40cmX20cmだったけどな。 数量がまとまれば、どんなサイズでも焼くよ。 
 
Img_1590_convert_20160128014857煉瓦の原料は、粘土と、ロバの糞です。 この手動式ミキサーでロバの糞を砕き、粘土と混ぜる。
 
ここは良い粘土があるし、水も沸くんだ。 全部、手作業だよ。 糞を混ぜないと色が出ないし、しっかり固まらない、ロバのがいちばんだ、馬糞を混ぜることもある。 
 
Img_1585_convert_20160128015218 まず木の枠を地面に置いて成形し、そのまま放置。 半乾きになったら立てるか、隙間を開けて積んで、完全に乾かす。 ピラミッド状に積んで、焼く。 一回で2万個できるそうです。
 
Img_1725_convert_20160128022620 我が家の庭の、煉瓦の歩道。 なかなか良いでしょ。 こういう仕事は、やっぱり煉瓦じゃなくっちゃね。 8年前に作ったんですが、傷んだところを入れ替え、少し延長しようと思って買いました。
 
Img_1611_convert_20160128024023近くの村にある、レンガ造りの家。 住む人がいなくなって崩壊しつつありますが、150年以上たってるそうです。
 
メキシコでは、こういう素焼きの煉瓦、今でも主要な建築材です。  新築を煉瓦で建てる人も多い。 値段は手ごろ、丈夫で長持ち、通気性があって快適です。 煉瓦むき出しでも、きれいだしね。 ちなみに今回の値段は、配達してもらって、一個4ペソ(25円足らず)です。

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2013年10月11日 (金)

布屋さん

Imagen419_convert_20131011034439 コリマの町の、布屋さん。 セデリア(SEDERIA)と言います。 ボタンとかリボンとかファスナーなんかを売ってる店は、メルセリア(MERCERIA)。 このモダテラスと言う店は、全国展開してる大型店です。

メキシコでは、ちょっとした町には必ず、こういう布屋さんの大店舗がいくつもあります。 まだまだご婦人方、裁縫をするんですな、めでたしめでたし。

僕はこういう店には用がなかったんで、奥深くまで入ったことが無かったんですが、今回は探し物がありましてね、へへへ。

Imagen420_convert_20131011110643 体育館ぐらいある大きなフロアーは、本当に布でいっぱいでした。 

いやいや、華やかです、それに布の妖しい匂いが満ちていて、春の花園みたい。 チョウ~チョ、チョ~チョ、なんてひらひら踊りだしたい気分。

男の人も、けっこう来てました。 男の店員さんもいる。 思わずクンクン布の匂いを嗅いでても、アブナイ奴と通報されて人生を棒に振ることはなさそうだ。

Imagen421_convert_20131011053357そのままくるりと巻いたらスカートやドレスになりそうな半出来合いの布(だと思う)もある。 これなら僕でも何とかなりそうだ。

思わす、むふふんと衝動買いしそうになります。

Imagen422_convert_20131011054821 カーテンも出来合いがあるぞ、と思ったんですが、これはこんな風になりますよって見本だそうです。

値段は幅1~2mの布が、1mで10~80ペソぐらい、ずいぶん値段に違いがあります。 ビロードとかラシャとか、童話に出てくるような布もあるんだろうけど、皆目わからん。 なんとなく興味が沸いてきますな。

Imagen424_convert_20131011055625 リボンとか小物の類の品揃えも凄い。 

Imagen423_convert_20131011055034見てて飽きないです。 萌えちゃったりしてね。

この日は、実は仕事用のエプロンを探してました。 布屋さんの前を通りかかって、なんとなくありそうな気がしまして。 それで店内をさんざん探し回った挙句、お姉さんに聞いたら、おほほと笑われて(*^.^*)、雑貨屋に行く道を紙に書いてくれました。 おかげで、35ペソ(250円ぐらい)で見つかりました。

でもね、こういう品揃えを見ちゃうと、シンプルなエプロンじゃあ物足りないですな。 花柄フリル付きが欲しくなったりして。

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2013年3月 7日 (木)

コリマあれこれーII みんな実用品

0aaaaaaaacanon023_convert_201303061 コリマの市場で、朝食後のコーヒーを頼んだら、このツボをコンロから下ろして、カップに茶漉しを置いて、どぼどぼと注いでくれた。 頭がくらくらするほどの、濃いコーヒーでした。

古墳から出てきた土器みたいなツボですが、地方都市のコリマあたりでは、まだまだ全然実用品なんです。

0aaaaaaaacanon085_convert_201303061 近くの雑貨屋さんには、いろんな食器がありました。 みんな低温で焼かれた、軽くて脆く、通気性がありそうな焼き物です。

メキシコ料理には、こんな食器が似合いますね。

0aaaaaaaacanon087_convert_201303061 カップや土鍋の類も豊富です。

カップも、直接火にかけて、温めることも出来ます。

0aaaaaaaacanon086_convert_201303061 この手の土鍋を薪の火にかけて作った煮豆なんて最高です。 使い勝手は必ずしもよくないですけどね。

値段は、お皿やカップが10~20ペソぐらい、土鍋は40ペソぐらいからあります。 僕が住むシナロア州よりかなり安いです。 産地だし、実用品として使われているからでしょう。

こういう皿に日本食を盛るのも斬新で良いかと。 特にお寿司の盛り合わせなんか、似合いそう。

近いうちに、一揃え買おうと思っています。

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2012年7月18日 (水)

ケ・オンダ・バト

0aaaacanon420_convert_2012070304363 エル・ロサリオのスーパーの駐車場に車を入れたら、まん前にこのピックアップが止まってました。

ちょっとくたびれたフォードですが、なんとなく良い感じ。 あちこち当てて塗り直してますが、きれいにしてます。

0aaaacanon421_convert_2012070304501 ほらね、ワイパーが金色、なかなか凝ってます。 上の赤翼の鷲のステッカーも素敵です。

と言う訳で写真を撮ってたら、声がかかりました。

ヘイメン、ワッツアップ!(HEY MEN、WHAT’S UP、アメリカのストリート言葉で、おいお前、調子はどう、程度の意味)。 

バス停のベンチにたむろしていたグループです。 ちょっと不良っぽい感じに決めてます。 僕も合わせて、返事をする。 ケ・オンダ・バト!

ケ・オンダ・バト(QUE ONDA VATO)とは、カリフォルニアあたりのチカノ(CHICANO、メキシカンアメリカンのこと)が使うスぺイン語で、元気かダチ公、程度の意味です。 まあどっちかというと、ギャングやチンピラ系が(俗称チョロ)、メンバーや同類に親しみを込めて使う言葉です。

そうしたら、一瞬でこの笑顔。

0aaaacanon422_convert_2012070304415 かっこいいピックアップだね、クールだぜ。 ありがとね、バト。 すっかり打ち解けてしまいました。 なかなか元気で、気の良い若者たちですな。 何人かは、(もちろん不法入国で)カリフォルニアにいたことがあるそうです。

メキシコのほうが良いだろ? いや全然、退屈で死にそうだよ、またアメリカに行きたいね(と潜り込む真似をして見せる)。 ふふふ、それも良いでしょう、頑張って青春するんだぜ、バト!

  

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2012年7月 3日 (火)

完成間近の村の道

0aaaacanon266_convert_2012062807500 テアカパン村の真ん中を貫く道路。 石畳風と赤レンガで、なかなか良い感じです。

この道路、もともとは穴だらけのアスファルト舗装だったんですが、去年の10月から改修工事が始まりました。

たった1kmほどなんですが、工事は遅々として進まない。 典型的なメキシコ人体型のおじさんが数人、スコップやつるはしを振るってるかと思えば、祭日や行事があってストップしたり、材料のセメントや砂が無いから、なんて木陰で寝てたり。 そうこうやってるうちに、最後の200mほどを残し6月になってしまいました。 このまま雨季に突入してしまえば、泥沼状態になって、誰も通れなくなります。 少々の遅れには寛容だった村人もさすがに堪忍袋の緒が切れて、エスクィナパの市長に、早よせんかい、と直談判に行った結果、やっと大人数での突貫工事が先々週に始まりました。

0aaaacanon261_convert_2012070206435 まあしかし、それでもさっぱりはかどりませんな。

7月1日現在、あと100mです。 幸いにも大雨は降らず、日中は晴天なんで、毎日工事が続いています。 この調子だと、あと2週間はかかりますな。

0aaaacanon262_convert_2012062813120 こんな風にね、手ごろな石ころを選んで並べて、セメントで隙間を埋めて、ぺたぺた均す。 固まったら残りの部分に、レンガブロックを敷き詰めて行く。 みんな手作業です。 きれいな道は出来るんですが、そりゃ時間はかかりますわな。

結局最後にドカ雨に降られてパーになって、雨季が去ったら引っ剥がしてやり直し、なんてのは避けて欲しいです、僕らの税金ですからな。

さて、メキシコ大統領選挙の結果は、政権交代のようです。 12年前に、政策云々より、あまりに酷い不正腐敗ぶりの末、命脈を絶たれた政党に逆戻りと嘆くこともないでしょう。 自分に美味しい濁水を右往左往して求めるメキシコ人が変わらない限り、メキシコの根本は変わらない。 ましてやメキシコは二重社会、一般に下層とされる、政府の統治の及ばない庶民の暮らしも、良きにつけ悪きにつけ、変わらない。 今はそれでいいと思います。 本当にメキシコが変わるとすれば、イデオロギーに関係のない次元で、カリスマ指導者が現れた時でしょうか。

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2012年7月 2日 (月)

卒業式のダンス

0aaaacanon304_convert_2012063008073 中学校の卒業式のダンスです。 生徒たちの希望者が適当な振り付けで踊る、百糸入り乱れる(一糸乱れぬの反対ね)、リラックスモードの余興です。 夜には正式な卒業パーティがあって、そちらでは卒業生徒が異性のパートナーとワルツを踊る、ダマとチャンベランのダンスがあります。

0aaaacanon296_convert_20120630074_2 こんなダンスも。 合間にマンゴー食ってるぞ、と思ったんですが、そういうダンスらしいです。 収穫感謝踊りですかな。

0aaaacanon315_convert_2012063009073 こんなのも。 生徒たちの創作ダンスのようですが、頭にツボを載せて、時には放り上げたりして、なかなかやりますな。

0aaaacanon317_convert_2012063009170 しかしやっぱり、ツボは重かったようですな。 頭は磨り減るセットは乱れる、あ~しんど。 お疲れ様でした、良かったよ。

0aaaacanon321_convert_2012063010053 これは、激しいアクションのダンス。 てっきりアステカの何かだろうと思い、ちょっと派手すぎやせんかと見てたんですが、後で聞いたらアラブの踊りだったそうです。 なるほど、顔をそれらしく隠してるわ。 そういえば音楽も、妖しげでしたな。 何の説明も無く、いきなり始まるんだから、もう。

卒業生たちも父兄も先生方も、てんでばらばらに(これ大切ね)、わいわい楽しむ卒業式、いいなぁと思います。

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2012年7月 1日 (日)

エスコルタ

0aaaacanon280_convert_2012063007041 今週は、村の小中学校の卒業式でした。 来週から夏休みです。 新学年は8月半ば過ぎに始まります。

メキシコの学校では、毎週月曜日に朝礼があり、6人の生徒代表が国旗を持って行進します。 このように国旗を持って行進することをエスコルタ(ESCOLTA)といいます。 生徒たちも先生方も国旗に敬礼し、国歌を斉唱します。

エスコルタをする生徒代表には、最年長学年の学業優秀な生徒が選ばれます。 その中で、もっとも優秀な子が旗手を務めます。 親ばかになりますが、今度中3になる愛娘が、来期の旗手に選ばれました。 娘は幼稚園、小学校、中学校とずっと旗手になってます(うはは~)。

卒業式では、今期の旗手が、来期の旗手に国旗を渡すセレモニーがありました。 国旗を受け取った娘が号令をかけながら行進する。 国旗に敬礼、ヤー!

このセレモニーのために白制服と、揃いの帽子やネクタイ、靴を新調させられました。 え~、普段の制服でええやん...、ちょっとぐらい揃てへんかてええやん...、と思うんですけどねぇ。 えらい出費になりました。

こちらは、お隣の中学校のエスコルタ。

0aaaacanon313_convert_2012063007434 足並みが揃ってます、いい感じですな。 なんや、制服でやってるやん。

でも聞いてみたら、やっぱり全員揃いで新調したそうです。 子供の晴れ舞台ですから、親御さんたち、気合が入ります。 そしてそれが見栄の張り合いになるのはどこでも同じ。 11月20日の革命記念日のパレードには、特別デザインの制服を揃えようという話になってるそうな(@Д@;。

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2012年5月 9日 (水)

土曜日の晴れ舞台

0aaacanon153_convert_20120508124428 土曜日のお昼過ぎのアグア・ベルデ村。 ギターやアコーディオンを肩に掛け、自転車漕いで、流しのおじさん達の出勤風景です。

村の目ぼしいレストランを夜更けまで巡回し、時には隣村まで足を伸ばし、お客のリクエストで歌います。

一曲だいたい20~30ペソですから、運良くお客が続けざまに見つかっても、稼ぎは知れたものでしょう、しかも3人で山分けだし。

流しの音楽家達を見かけるのは、だいたい週末だけです。 普段は野良仕事や牛追いをやってるんだと思います。 このおじさんたち、人前で楽を奏で歌うのが根っから好きなんでしょうな。

0aaacanon024_convert_20120508121455アカポネタの街角。 このインディヘナのおじさんも、ギターを持ってますな。

こちらはたぶん村の一番の繁華街(?)、市場通りの大道で、民族舞踊を開演し、小銭を集めるんだと思います。

ぴかぴかのウイチョール族の民族衣装できめてますね。 土曜日の午後の雑踏は、晴れ舞台なのかもしれません。

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2012年4月30日 (月)

旅人達

0aacanon173_convert_20120418120335 エル・ロサリオ郊外の踏切で、貨物列車に出会いました。 ここいらでは、列車が通るのは珍しい、せいぜい週に1~2本、しかも貨物列車だけです。

0aacanon174_convert_20120418133205真っ青な空の下、広い原野の中です。

警笛が、誰かに合図をしているかのように、途切れ途切れに響く。

遮断機も何も無い踏切です。

0aacanon175_convert_20120418120731おやおや、列車の上に人がたくさん乗っています。

列車は速度を落とし、やがて踏み切りを塞いで止まります。 

また警笛が響く、今度はファーン、ファンファン、と何度も繰り返す。 

0aacanon176_convert_20120418130538列車の上の人達は、てんでに立ち上がり、腰を伸ばし、わらわらと列車から飛び降りて来ます。

踏み切りの向こうの、小さな村へ駆け出す人。 木陰でシャツのボタンを外して風を入れる人。

頬髭のお兄さんから声をかけられる。 ”失礼ですけど、飲み水があれば少しいただけませんか?” 訛りはありますが、きれいなスペイン語です。

0aacanon169_convert_20120418131924この人達は、はるばる中米のホンデュラスから、列車の屋根に無断乗車して来たそうです。 途中で列車を2つ乗り換えて、一週間になるとか。

目指すは国境の町、メヒカリ(MEXICALI)。 そこからアメリカに不法入国しようと言うわけです。

0aacanon172a_convert_20120418115730みんな着の身着のまま、ほんの小遣い程度のお金(だけど有り金全部)をポケットにしのばせ、故郷に家族を残して出稼ぎに行く人、青春の運試しの冒険の人、アメリカへの移民を目指す人、いろいろいると思いますが、命がけの旅です。 無事にアメリカにたどり着く人は、何人いるでしょうか? でも全然、悲壮感など感じられません。 汗の匂いと、明るい笑顔に白い歯。

こうして列車の上に乗って、中米からやってくる人、けっこうたくさんいます。 もちろん中継地のメキシコへも不法入国です、だってパスポートなんて誰も持ってないですから。 だけど寛大なもの、鉄道員達も黙認してます。 さっきの意味ありげな警笛は、きっとこの人達への合図だったんだと思います。 ”15分止まるよ、村でお水を調達しておいで...”

僕も手持ちの、1.5リットルのミネラルウォーターをあげました。 丁寧にお礼を言って、一口飲んで、顔をしかめて隣に渡す。 やがてまた長い警笛が鳴ると、ありがとうと手を振って、列車へ駆けていきます。

どうかこの、瞳明るい旅人達に、幸あることを祈ります。 

僕はね、27年前、ロサンゼルスに渡り、いきなりダウンタウンの小さな工場の主任として働いた。 15人ばかりの従業員達は、みんなメキシコや中南米からの不法移民だった。 お互いに片言の英語で話しはじめ、すぐに親しくなった。 独身で一人の知人もいなかった僕を、旧知の友人のように、時には家族のように扱ってくれた、あの人達。 開けっぴろげで純朴で、さっぱりしていて、風のように自由で、素敵な人達でした。 今に至る道、僕のメキシコへの旅は、あの人達との出会いが出発点だった。 このお話は、またの機会に、ぜひしたいと思います。

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